ホームページを作ったのに問い合わせが来ない|よくある原因と、実際に直したこと

「ホームページはあるんですが、問い合わせが全然来なくて」

Web制作の仕事をしていると、この相談を本当によく受けます。そして実際にサイトを見に行くと、原因はある程度パターン化されています。

先に結論を書きます。問い合わせが来ないサイトの多くは、古いままの状態で放置されていることが原因です。デザインの好みや文章のうまさではありません。

もう一つ、相談を受けていて強く感じることがあります。「一度お金をかけて完璧なものを作れば、あとは置いておくだけで勝手に上がっていく」と思われている方が非常に多いということです。

残念ながら、そうはなりません。理由を含めて、実際に手を入れた内容をお話しします。


原因の多くは「古いままであること」

サイトを拝見して最初に見つかる問題は、たいてい次のどちらかです。

  1. SEOの考え方が古いまま
  2. 更新が長期間止まっている

順に説明します。

SEOの基準は変わり続けている

ホームページを作った当時は、それが最新の対応でした。問題は、検索エンジンの評価基準がその後も変わり続けていることです。

数年前に「これをやっておけば大丈夫」とされていた施策の中には、今では意味がないもの、あるいは逆効果になっているものもあります。作った時点で正しくても、放置していれば古くなります。

サイトは家電と違って、古くなったことが見た目では分かりません。表示は正常なのに、検索エンジンからの評価だけが静かに落ちていく。これが厄介なところです。

更新が止まると、流入は緩やかに減る

もう一つよくあるのが、更新が止まっているケースです。

ある時期を境に、アクセス数が右肩下がりになっていく。急に落ちるのではなく、じわじわと減っていきます。だからこそ気づきにくい。

半年、1年と経ってから「そういえば最近問い合わせが来ないな」と気づく頃には、かなり下がっています。

なぜ気づけないのか

サイトが壊れたわけではないからです。

表示は正常。リンクも動く。見た目には何の問題もありません。ただ、来る人が少しずつ減っているだけ。

しかも減り方が緩やかなので、「今月は少なかったな」くらいの認識で流れてしまいます。前年同月と比べる習慣がないと、変化に気づくきっかけがありません。

気づくのはたいてい、問い合わせが完全に止まってからです。そこから対処を始めても、改善が数字に出るまでにさらに時間がかかります。


実際にやった改善

では具体的に何をするのか。実際に手を入れた内容をお話しします。

1. SEOの記述を現在の基準に書き換える

まず、サイト内のSEO関連の記述を一つずつ見直します。

タイトルタグ、見出しの構造、各ページの説明文。これらが今の基準に合っているかを確認して、書き換えていきます。

2. 構造化データ(JSON-LD)の見直し

構造化データとは、ページの内容を検索エンジンが理解しやすい形式で伝える記述のことです。

会社情報、営業時間、サービス内容などを、決められた形式で記述します。これが入っていないサイト、あるいは古い形式のまま残っているサイトは少なくありません。

検索結果での見え方に影響するため、ここは必ず確認します。

3. 使われていない記述を削除する

意外に見落とされがちなのが、もう機能していない記述を消す作業です。

代表的なのがキーワードの記述です。かつては検索対策として重視されていましたが、現在の検索エンジンは評価に使っていません。残っていても害はありませんが、整理しておく方が管理しやすくなります。

古いサイトには、こうした「当時の常識」が層のように積み重なっています。追加するだけでなく、不要なものを取り除いて整えるのも重要な作業です。

実際にどう変わったか

この一連の作業を行ったサイトでは、問い合わせが月に1〜2件増えました。

派手な数字ではありません。ただ、それまでほぼゼロだった状態からの1〜2件です。年間にすれば12〜24件の商談機会が生まれた計算になります。

そして重要なのは、新しく何かを足したわけではないという点です。デザインを刷新したわけでも、広告を出したわけでもありません。古くなっていた部分を現在の基準に整えただけです。

すでにあるサイトが、正しく評価されていなかった。それだけのことでした。


依頼される方が誤解しやすい2つのこと

相談を受けていて、特に多い勘違いが2つあります。

誤解1:「置いておけば勝手に上がっていく」

ホームページは、公開したら自動的に順位が上がっていくものではありません。

むしろ逆です。他社が更新を続けている中で自分だけ止まっていれば、相対的に順位は下がります。何もしていないのに下がるのは、これが理由です。

分かりやすい例えがあります。

どれだけ面白いスマホゲームでも、1年間まったく更新がなければ、ユーザーは離れていきます。ゲーム自体の出来は変わっていないのに、話題に上がらなくなり、やがて忘れられる。

ホームページもこれと同じです。作った時の品質は、時間が経てば効力を失います。

言葉が変わると、順位も変わる

もう一つ、見落とされやすい理由があります。

検索する時に使われる言葉が、時間とともに変わっていくという点です。

数年前は「ホームページ制作」で探していた人が、今は「Webサイト制作」と入れるかもしれない。業界の呼び方が変わることもあります。

サイトの文章が昔の言葉のままだと、今の検索語と噛み合わなくなります。中身は良いままなのに、探している人に届かない。

これも「何もしていないのに下がる」現象の正体の一つです。

誤解2:「一度完璧に作れば大丈夫」

これも非常に多い誤解です。

完璧なホームページというものは、作った瞬間にしか存在しません。検索エンジンの基準は変わり、競合はサイトを更新し、自社のサービス内容も変わっていきます。

初期費用をかけて良いものを作ること自体は正しい判断です。ただしそれは維持を前提にした話です。作りっぱなしの高価なサイトより、そこそこの作りでも更新され続けているサイトの方が、問い合わせは来ます。


引き継いだサイトで、よく見つかること

他社が作ったサイトの相談を受けることがあります。その時によく見つかるのが、次の2つです。

古いSEOのまま順位が落ち続けている

作った当時の基準のまま何年も経っているケースです。

依頼者は気づいていません。表示は正常だからです。ただ、検索エンジンからの評価だけが静かに下がり続けている。

このパターンで多いのは、制作会社との関係が納品時点で切れている場合です。作って終わり、その後は誰も見ていない状態が続きます。

「自分で更新するつもりだった」まま放置されている

もう一つがこれです。

納品時には「自分たちで更新します」という話になっていた。でも実際には手をつけないまま時間が経ってしまった。

悪気があるわけではありません。本業が忙しく、優先度が上がらないだけです。ただ結果として、更新されないサイトが残ります。

「できる」と「続く」は別の話です。 技術的に更新可能でも、続ける仕組みがなければ止まります。


まず確認してほしいこと

専門知識がなくても確認できることがあります。

  • 最後にサイトを更新したのはいつか
  • お知らせやブログの最新記事の日付はいつか
  • 問い合わせフォームは今も正常に動くか
  • スマートフォンで見て、文字は読みやすいか

特に日付は重要です。 訪問者は「最終更新が2年前」のサイトを見た時、この会社は今も動いているのだろうかと考えます。

比べる相手は過去の自分ではない

もう一つ、確認の仕方でお伝えしたいことがあります。

アクセス数を見る時、先月と比べる方が多いのですが、前年の同じ月と比べてください。

商売には季節性があります。先月より減っていても、去年の同じ月と同水準なら問題ありません。逆に先月より増えていても、去年の半分なら深刻です。

月ごとの上下に一喜一憂すると、本当の傾向が見えなくなります。年単位で見ると、緩やかな下降がはっきり分かります。


まとめ

問い合わせが来ない原因は、多くの場合デザインではなく「古くなっていること」です。

  • 検索エンジンの基準は変わり続けている
  • 更新が止まると流入は緩やかに減る
  • 置いておけば上がる、完璧に作れば終わり、はどちらも成り立たない

そして更新を続けるには、体制の問題を解決する必要があります。誰が、どのくらいの頻度で触るのか。ここが決まっていないと、また同じ状態に戻ります。

更新を社内で回すために何が必要かは、こちらにまとめています。
社内更新の始め方

現状のサイトを見てほしい方へ
今のサイトのどこに問題があるか確認します。「これは直さなくて大丈夫です」とお伝えすることもあります。

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