ホームページの更新、社内でやるべきか外注すべきか|Web制作者が実際の相談から解説

「ホームページの更新、社内でやるべきか外注すべきか」——尼崎でWeb制作をしていると、この相談を毎月のように受けます。

先日も、ある会社から「社内に一人、更新や知識を持っている人材が欲しい」というご相談をいただきました。以前は詳しい担当者がいたのですが、その方が退職してしまい、社内に分かる人が誰もいなくなってしまったそうです。

結論から言うと、「内製が安い」とは限りません。むしろ内製のコストを正しく計算すると、外注のほうが得になるケースが多くあります。ただし「全部外注すべき」という話でもありません。

Web制作を仕事にしている立場から、実際の相談例をもとに判断基準を整理します。


判断軸は2つだけ

長く悩む必要はありません。見るべきは次の2点です。

  1. 更新の頻度はどれくらいか
  2. 社内にサイトを触れる人がいるか

この2軸で整理すると、こうなります。

社内に触れる人がいる いない
更新が多い(月2回以上) 内製が向く 保守契約で外注
更新が少ない(数ヶ月に1回) 内製が向く 都度外注

表を見て分かる通り、判断を分けているのはほぼ「人がいるかどうか」です。

そして重要なのは、この「いる」が非常に脆いことです。次の章で説明します。


内製の「本当のコスト」

内製が安く見えるのは、費用として計上されない部分があるからです。

見えていない人件費

社員がホームページを更新する時間は、給与として支払われています。

月に4時間更新作業をしているなら、その人の時給換算分がそのままコストです。時給2,500円の社員なら月1万円。年間で12万円になります。

そしてこれは「本業の時間を削って」発生しています。実際の損失はもう少し大きいはずです。

学習にかかる時間

WordPressの操作を覚える、画像を適切なサイズに加工する、崩れたレイアウトを直す。

慣れれば10分の作業も、最初は2時間かかります。この立ち上がり期間は、ほぼ全額が損失です。

担当者が辞めた時に何が起きるか

これが内製の最大のリスクです。

実際にあった例をお話しします。ある会社で、Webに詳しい担当者が退職されました。現在は営業の方が、これまでのクライアント対応を引き継いでいます。

問題は、その営業の方に専門知識がないことです。

お客様から技術的な質問をされても答えられない。何を確認すればいいのかも分からない。ご本人は「自分の対応で、お客様に不安を抱かせているのではないか」と感じておられました。

サイトが止まるだけなら、まだ被害は社内で収まります。しかし知識のない状態で顧客対応が続くと、信用の問題に発展します

内製とは、特定の一人に会社の情報発信を依存させることでもあります。その人が辞めた瞬間、更新が止まり、ログイン情報が分からなくなり、放置されたWordPressのセキュリティリスクだけが残ります。


外注の「本当のコスト」

では外注はどうか。こちらも正直に書きます。

費用の目安

当方の場合、ホームページ制作は220,000円(税込)です。この中に1年分の更新費用が含まれています。公開までの期間は約2ヶ月。

2年目以降の保守は年額99,000円(税込)です。月あたりに直すと8,250円ほどになります。

先ほどの内製の人件費(年間12万円)と並べると、金額だけを見れば外注のほうが安く収まる計算になります。

外注のデメリット

もちろん良いことばかりではありません。

細かい変更にも連絡が必要です。 「営業時間を1行変えたい」という時に、メールを書いて、返信を待つことになります。社内でできるなら30秒の作業です。

スピード感は落ちます。 明日のイベント告知を今日出したい、という場面では外注は不利です。

ノウハウが社内に残りません。 何年外注しても、社内のWeb知識はゼロのままです。

外注で失敗するパターン

制作会社を選ぶ際、最も多い失敗は「納品後に自分で更新できない作り」にされることです。

更新するたびに費用が発生する構造になっていると、結局サイトが更新されなくなります。見積もりの段階で「公開後、自分たちで更新できますか」と必ず確認してください。


ケース別の判断

もう少し具体的に整理します。

従業員5名以下・更新が数ヶ月に1回の場合

都度外注で十分です。

このケースで内製化するのは、費用対効果が合いません。更新の頻度が低いと、操作方法を覚えても次に触る頃には忘れています。毎回ゼロから思い出す作業になります。

採用に力を入れている場合

社内更新ができる体制を作る価値があります。

採用ページは情報の鮮度が成果に直結します。募集職種、社員インタビュー、社内の様子。これらを外注していると、更新のたびに時間と費用がかかり、結果的に更新されなくなります。

予約機能やECがある場合

外注(保守契約)を推奨します。

決済や個人情報を扱う部分は、トラブル時の影響が大きすぎます。ここは専門家が定期的に見ている状態を保つべき領域です。


実は、多くの会社にとっての正解は「その中間」

ここまで内製と外注を比べてきましたが、実際にご相談を受けて最も多い着地点は、どちらでもありません。

更新は社内、技術は外注。この分担です。

具体的な分担は、こうなります。

作業内容 社内 外注
文章の修正・誤字の訂正
写真の差し替え
お知らせ・ブログの追加
営業時間・料金の変更
WordPress・プラグインの更新
表示崩れ・不具合の対応
レイアウト・デザインの変更
サーバー・ドメインの管理
バックアップ
セキュリティ対応

分け方の基準は単純で、「間違えても元に戻せるか」です。

文章や写真は、間違えてもすぐ直せます。一方、プラグインや設定まわりは、影響範囲が見えないまま触ると復旧が難しくなります。

この形が機能する条件は一つで、社内の誰でも触れる管理画面になっていることです。

冒頭にご紹介した「社内に一人、知識を持っている人材が欲しい」というご相談も、突き詰めるとここに行き着きます。必要なのはWebの専門家ではありません。日常の更新を止めずに回せる人です。

この違いは大きいです。専門家を採用するのは簡単ではありませんが、更新を担当できる人を社内で育てるのは、仕組みさえ整っていれば十分に可能です。

そして「特定の一人しか触れない」状態を避けることが、担当者の退職リスクへの最も現実的な対策になります。


まとめ

判断の軸は「更新頻度」と「社内に触れる人がいるか」の2つ。

そして内製・外注の二択で考えず、更新だけ社内に持つという選択肢を検討してみてください。多くの中小企業にとって、これが最も現実的な落としどころです。

運用の進め方を相談したい方へ
制作から保守まで対応していますが、まずは現状を見た上で「これは内製でいけますよ」とお伝えすることもあります。どちらが向いているか分からない段階でのご相談も歓迎です。

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Web制作を仕事にしている立場から書いています。判断が偏らないよう、内製のメリットも同じ熱量で書いたつもりです。

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