SNSがあればホームページはいらない?|「確認される場所」があるかで決まる

「SNSがあればホームページはいらないのでは」——尼崎でWeb制作をしていると、よく聞かれる質問です。

先日も、SNSを中心に情報発信している経営者から同じ相談を受けました。反応はあるが、問い合わせにどう繋がっているか実感が薄い、とのことでした。

結論から言うと、SNSとホームページは代替関係ではなく役割が違います。必要なのは「確認しに来た人が見る場所」があるかどうかです。

Web制作を仕事にしている立場から、実際の相談をもとに判断基準を整理します。


SNSは「流れる」、ホームページは「留まる」

まず、両者の違いを整理します。

役割情報の性質
SNS届ける・拡散する流れていく。過去の投稿は埋もれる
ホームページ確認される・留まるいつ見ても同じ場所にある

SNSとホームページは、優劣ではなく役割が違うだけです。 どちらか一方で足りるものではありません。

「SNSがあればHPはいらないのでは」と聞かれたときは、いつもこう答えています。SNSは情報を流す道具、ホームページは情報を確認する場所だと。

投稿はタイムラインに流れていき、過去の情報にはたどり着きにくくなります。一方でホームページは、いつアクセスしても同じ場所に同じ情報があります。この違いを理解しないまま「SNSで十分では」と考えると、判断を誤りやすくなります。

「情報を発信しているから大丈夫」と考えてしまいがちですが、発信する場所と、留まって確認される場所は別物です。


人はどのタイミングでホームページを探すか

ホームページが必要になる瞬間は、実は日常の中にたくさんあります。

具体的には、次のような場面です。

  • 知人から紹介されたとき
  • 名刺交換の後、会社概要を確認したいとき
  • SNSの投稿を見て、興味を持ったとき

これらはすべて、SNSの外側で起きる行動です。人は「この会社は実在するのか」「何をやっている会社か」を確認しに来ます。SNSのフォロワーではない人が、初めて会社の情報に触れる瞬間でもあります。

24時間、安心して情報が入る「自社の看板」としてホームページは機能します。SNSの投稿を遡って会社概要を探す人はいません。

実際、SNSで情報発信していたクライアントから、その先に何も無いと不安になる、もっと情報が欲しいと言われたことがあります。見に来た側が不安を感じるというのは、想像以上に重要なサインです。


SNSだけの運用で起きること

SNSだけで運用していると、具体的にどんな問題が起きるのか。

まず、比較で不利になります。「SNSしかやっていないのか」と見られ、ホームページのある競合の方へ流れてしまうことがあります。情報を探しに来た人にとって、SNSだけという状態は「情報が足りない会社」に映ります。料金や実績、所在地といった基本情報が投稿の中に埋もれていると、探す側にとっては負担になります。

もう一つは、資産として残らない問題です。SNSアカウントは、担当者や個人の端末に紐づきやすい性質があります。

実際にあった例では、古すぎてパスワードが分からなくなったSNSアカウントが残っていました。実質何もしていない状態なのに、検索すると出てきてしまいます。

似た構造の問題は、ホームページのログイン情報でも起きます。ある会社では、担当者の退職時にログイン情報が引き継がれておらず、社内の業務が滞りました。前任者と連絡を取って解決しましたが、技術的な問題ではなく、引き継ぎの不備だけで発生した無駄な時間でした。

「誰が管理しているか分からない」状態は、SNSでもホームページでも同じように起こります。どちらのケースも、担当者が変わった瞬間に表面化します。情報発信を続けている間は問題になりませんが、体制が変わったときに一気に露呈するのが厄介な点です。

SNSは無料で始められる分、体制を決めないまま運用が始まりやすいという特徴があります。誰が投稿し、誰がパスワードを管理しているかが曖昧なまま数年経つと、気づいたときには持ち主が分からない状態になっています。


検索から来る経路は、SNSでは置き換えられない

もう一つ、SNSでは代替できない役割があります。検索から来る経路です。

別の相談では、古くなっていたSEOの記述や構造化データを整理しただけで、問い合わせが月1〜2件増えました。効果が出るまでは2ヶ月ほどかかりましたが、新しく何かを足したわけではありません。

これは、「探して辿り着かれる」経路が、SNSの投稿では代わりにならないことを示しています。SNSの投稿は基本的に、フォロワーやその周辺にしか届きません。検索から来る人は、その会社を知らない状態から探して辿り着いています。

つまりSNSは「すでに関心がある人」に届く経路で、検索は「まだ関心を持っていない人」に届く経路です。両方の経路を持っておく方が、機会を取りこぼしません。

中小企業の場合、地域名やサービス名で検索されるケースが多く、この経路を持っているかどうかで見つけてもらえる機会そのものが変わります。

ホームページがあるのに問い合わせが来ない、という別の悩みもあります。こちらの記事で原因を整理しています。


両方を回す余力がない会社はどうするか

SNSとホームページ、両方を継続的に更新する余力がない会社も多いはずです。

その場合は、置き場所を分けるのが現実的です。

内容SNSHP
日々の投稿・速報・イベント告知
会社概要・サービス内容・料金
実績・お客様の声
問い合わせ窓口

分ける基準は単純で、頻繁に変わる情報はSNS、めったに変わらない情報はホームページに置くという考え方です。

更新は月1回でも意味があります。日付は誰でも見られる情報で、「最新じゃないしええか」という離脱を防ぐ効果があります。

一方で、作って放置したホームページは、無いより悪く働くことがあります。古い情報のまま止まっていると、この会社は動いていないのでは、という印象を与えてしまうためです。更新が止まっている期間が長いほど、この印象は強く残ります。逆に言えば、少しずつでも動いている形跡があれば、その懸念は解消できます。

更新の続け方については、こちらの記事で具体的な方法を整理しています。


判断に迷ったときは

SNSとホームページ、どちらが必要かではなく、「確認しに来た人が見る場所を持っているか」で考えてください。

  • 今のSNSだけで、会社概要・料金・実績まで確認が完結しているか
  • 検索から辿り着く経路を持っているか
  • 情報が古いまま放置されていないか

この3点を確認すれば、今ホームページに時間とお金をかけるべきかどうかが見えてきます。SNSをやめる必要はありません。両方の役割を、無理のない範囲で分担することが大切です。

「今のままSNSだけで続けるべきか、ホームページも用意すべきか」は、業種や発信内容によっても変わります。判断に迷う場合や、SNSとホームページの分担を一緒に整理してほしい場合は、お気軽にご相談ください。

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